美術館や博物館が好きだ。
それ以上に、記念に買うポストカードが大好きだ。
本当は、その他のグッズが欲しいのだけれども、お金がかかるし、かさばるな。
と思うと、ポストカードは100円程度だし、紙一枚というスマートさ。
そして、眺めていると、その時のことを何となく思い出せるから不思議だ。
はっきりではなく、曖昧に、というのが魅力なのだ。
裏面に、メモ書きしているわけじゃないけれど、何となく頭に浮かぶ風景。
何年、何月、何日とはっきりとは答えられない。
いつ、どこで、何の展示に行ったかくらい。
帰りにここに寄ったなぁとかのおまけ付き。
その朧げさがちょうどいい。
おまけの記憶には、良いものもあるし、悪いものもある。
その時の心持ちも思い出してしまう。
楽しかったこともあれば、辛かったこともある。
写真やビデオは、残酷なまでに鮮明で、感情がリフレインして辛くなる。
ポストカードは、ノイズがかかったリピートって感覚だから、そんなこともあったなくらいでちょうど良いのだろう。
人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思う。
きっと、浅いから、生きていけるんだろう。
写真やビデオに思い出を残すのも良いけれど、ポストカードに記憶を何となく留めておくのもまた一興。
これからも、その時々の記憶や感情と一緒に、ポストカードを集めていこう。