遠征で一番訪れている場所、豊田。
近年、足が遠のいていたけど、思いが再燃。
仲間に会いに、岩を登りに、何かを探しに。
金曜日の夜に、google mapに教えを乞う。
久しぶりのロングドライブ。
福島FMからTOKYO FMへ。
電波の途切れるラジオをつないでひた走る。
K-FMに切り替えた辺りで眠気に従い停車。
そのまま、寝袋に抱かれて就寝。
お腹が空いて目覚め、SAでモーニング。
人心地付いていると、見慣れた顔ぶれ。
測ったように東北メンバーと顔を合わせ。
せっかく遠くに来たのに。
寂しいようで嬉しい。
唯一、場所が記憶に残っていた歌石駐車場が集合場所。
西から東から仲間がぽつりぽつりと揃っていく。
馴染みの顔、どこかで見た顔、久しぶりの顔、新しい顔。
役者が舞台が揃えば、自然とセッションが始まる。
最後は一手目から遠いカチを止めに行く課題。
初手が核心かと思いきや、マントルでみんな苦戦。
右手が持てなくなり、スタートが切れなくなり、夕暮れに近づいて終了。
明けた翌日は、岐阜は白川ボルダー。
いつだかの年末に、来る予定がドタキャンとなった因縁の岩場。
国内外問わず、ツアーに行きたくても行けないタイミングってある。
経済的、時間的、仕事的な因果関係によって。
そういう時、昔は悶々としたけれど、今は時期尚早だったんだなと受容できるようになった。
むしろ、ようやく来れた今が自分にとって最もグッドタイミングだったのだなと。
苦手な河原エリアだったけど、楽しく遊べたのも相応しい時だったんだろう。
強烈に痛い指が痛い課題もエンジョイしたけれど、左手がジンジンした辺りで終了。
ツアー最終日は、みんなが寝静まってる時間に出発し猿投山。
豊田で右手、白川で左手の力を出し切ったので、割り切ってハイキング。
ヘッドランプの光を頼りに、コンクリートを刻んで登山道へ。
途中から起伏に富んだコース、展望台からの景色、山頂付近の雪化粧。
道に迷って、日の出には間に合わなかったけれども、ふくらはぎも良い感じに張ってツアーの終幕。
帰路は、気分転換に、静岡回りではなく、岐阜から中山道へ。
昼食で立ち寄った定食の味噌汁が赤出汁でないことをどことなく寂しい。
また、飲みたくなったら、その時が来たら、迷わず、有無を言わさずやってこよう。
挨拶もろくにせずに、お別れした馴染んだ仲間に申し訳なく思う。
でも、そんなことで絆が切れるような人達じゃないかなと甘えておく。
名古屋には、仲間が集うギルドがあったなとつくづく思う。
自分は酒は飲まないし、みんなでワイワイするのは苦手だけれども。
角でガヤガヤを聞いているのが好き。
ワイガヤの端っこに入れてもらえるのがとても嬉しい。
ここで、出会った仲間とまた冒険に出れたら良いな。
旅の終わりに、手帳のチェックリストを確認する。
どうも、心残りがあるらしい。
岩場に宿題も残ったし、矢場とんも食べれなかったし。
”もっとも、私は旅先に心残りを作ることも悪くないと思っているようなところがある。そこに心を残しておけば、いつかまた訪れることができるだろうから、と。そう、残した心を「回収」するために。”
ー「飛び立つ季節」 沢木耕太郎
難しく考えずに、来たいと思ったら、また来よう。