一年前からトライしていた課題を完登した。
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」
ノムさんがそんなことをボヤいてた。
出来ないと頭を抱えるものだけど、出来るとあっけないもの。
やり遂げた時に、一抹の寂しさすら覚えた。
もういいや。と下山する日々。
捻挫はするし、ズボンは破けるし、指を痛めるし。
なにくそ。とトレーニングする毎日。
体重落として、握力鍛えて、イメージトレーニングして。
そんな時間が楽しかった。
だから、あっさり登れた時には、嬉しい反面、寂しくもなった。
時間をかけて作った料理を一瞬で食べてしまったような感覚。
何が実を結んだのだろう。
数キロの減量が意味があったと思わないし。
100円ショップのハンドグリップが効果があるかは疑問だし。
イメージと違うムーブだったし。
わからないけれども、頑張ったこと、登れたことは事実だから、まあいっかという結論に行きつく。
でも、登れなかったり、あきらめたりしても、良かったんだと感じる。
やろうと考えた思いや、そこに至るまでの経験や時間は残るから。
成否はともかく、結果までの過程が楽しいから。
そう考えると、今までいろんなことを出来なかった自分、あきらめた自身を許せるような気がする。
この一年間は、充実した時間だった。
とはいえ、登れた気分はやっぱり最高。
素直に喜ぼう。