スムーズな足入れに、快適な履き心地、非対称なレースアップシステム、網の目状のトゥーラバーを搭載するなどインドアだけでなくアルパインやクラックなどのクイミングにも対応するモデルです。0.8㎜のミッドソールを内蔵しエッジング性能を更に確かなものしてくれます。
気心の知れた仲。
バラクーダとはそんな間柄である。
ターンイン•ダウントゥなしの幅広いシューズ。
なんてことのないシューズがフィットすることを教えてくれた。
北は北海道から、南は九州まで旅し、いろんな課題を一緒に落としてきた。
それなりの成果を出せたのは、この存在が大きかった。
これまでは、シューズの性能に振り回されるような登り方をしてきたと思う。
登れたのは靴のおかげ、登れないのは靴のせい。
省みると、自身の登りに他人行儀だったかなと。
バラクーダを履いている時は、自分の意思通りに踏んでいる感じる。
スタンスに立てるも、立てないも自分の実力と、当事者として向き合えてた。
Heか、She かというと、彼女だったと思う。
相棒というよりは恋人。
一緒にいれば、ただただ楽しい。
登れたら当然嬉しかったし、登れなくても「ま、いっか」とあきらめられた。
良くも悪くも、それが実力だよなと。
相思相愛とはいかなくても、以心伝心はできていたかな。
だから、別れが近いことも知っている。
トゥーラバーが剥がれ、穴が空きそうなこと。
ソールが擦り減り、エッジングに陰りが見えていること。
だけど、もう少し付き合って欲しい。
岩場に出向く度にそう思う。
あと一日、もう一日が続けばいいなと。
過去形じゃなくて、現在形の言葉でいつまでも語りたい。
だけれども、そうもいかないのが世の中。
とはいえ、まだ未来形の話をする時でもないかな。
今少し、二人の時間を楽しもう。