前進しているのか、後退しているのか。
わからない今日この頃。
とりあえずはっきりしているのは、頭は退化しているようで。
よく財布を忘れる。
そんなタイムロスも有り、午後からのクライミング。
起き抜けに、「登りたいな」と思った岩があった。
ポール•マッカートニーは、夢の中でYesterday のメロディーを作ったけど、自分が夢の中でムーヴは浮かぶはずもなく。
目が冴えても、ぼんやりとしか思い描けない。
岩の前で、ようやくクリアになっていく。
使うスタンス、持ち替えるホールド、それにクラッシュパッドの位置を吟味する。
うん、大丈夫。
何回か修正していると、根拠の無い自信が湧いてくる。
スタンスを踏んでスタートを切る。
背筋を伸ばして右手でガバをとり、指をずらしてスペースを設けて左手を寄せる。
右手を飛ばして、左足を高くあげると、ニーバーで一息つける。
深呼吸したら、のっぺりとしたリップに両手を添える。
ランディングの切り株を目視すると、手が汗ばむ。
まぁ、落ちてもなんとかなるさと、立ち上がっていく。
いくつになっても、何かが出来るようになるのは嬉しいことだ。
地団駄を踏んで終わる日が多いけれども、それでもいっかと思う。
その場に、立ち続けるだけでも大変なのだから。
ましてや、足踏みするだけで立派なもんだ。
そうやって頭を抱えている間に、物事は進む。
何万年かかる進化もあるし、三時間しかかからない進化もあるんだよ。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」村上春樹
まだ、立っていられそうだし、地団駄を踏む元気と前向きな気持ちはあるようだ。
立ちすくめ。踏み止まれ。Go ahead.
そして、財布は忘れるな。
そう自分に言い聞かせた二月の始まり。