なんで、読書をしてるんだろう?
ふと思う。
作者が好きだから、文字フェチだから…
語彙を増やすため、知識を得るため…
いろいろあるのだけれども、どこかで答えを探していたような気がする。
小説を読んでいると、自分では言い表せなかった心情を代弁してくれることが多々ある。
そうそう、こう言いたかったんだよな。
そんな台詞に出会えた時の感動も楽しみの一つでもある。
裏を返せば、自分の言葉っていうのを持ってなかったんだなと思う。
省みると、人と会話している時は、本から引用してばかりいた。
そこに、自分の気持ちが入っていたかというと疑問だ。
そんなことを繰り返している間に、本に書いてあるフレーズが正しいと考えるようになっていたのかもしれない。
いつのまにか、アイデンティティを失っていた。
ああ、オレは空っぽなんだなと気が付く。
もちろん、本は疑問を解消するためのツールだ。
だけれども、答えは書いていない。
載っているのは、ヒントだけ。
そこから、自分なりの言葉や答えを導き出すことが読書なんだと思う。
本を貪るように読んできたのは、答えを求めてすがっていたのだと思う。
自分のことが、わからなくなってしまったから、見失ってしまったから。
それは今も変わらないのだけど、自分の言葉を見つけていきたい。
最初は、引用してもいいし、真似てもいいから。
自分の言葉を見つけたなら、ボソボソ喋るクセも治るのかな。
ただの東北訛りと滑舌の悪さな気もするけど。
でも、なまっててもいいから、どもってもいいから、堂々と自分の言葉で話せたらいいなと思う。
ヒント探しは、いつまでも続きそう。