ウクレレを手に取ってみた。
ベニヤ板で、おもちゃのような楽器が家に来てから一か月。
毎日、触れている。
三日坊主になるかと思っていたのだけれども。
隠された才能が開花するわけでもなく、一本指で押さえられるコードをいったりきたりするだけ。
でも、ジャカジャカすると我を忘れられる。
きっかけは「Blutch」というフランス語で字幕も無い映画。
おっちゃんが旅をしながらバイオリンを弾く姿を見てて、ただただ楽しそうだなと感じた。
バイオリンはキャラじゃないし、ギターは大き過ぎる。
そこで、白羽の矢を立てたのがウクレレ。
はっきり言ってヘタクソである。
ジャイアンの歌声よろしく、聴き苦しい。
でも、誰にも見向きもされず、自分自身も何も考えず、ただ弾いてる。
時間を忘れられる。
そう、クライミングをしている時と同じように。
楽器なんて高校生の音楽の授業以来で、苦手だし嫌いだった。
だけど、大きな違いがある。
学校で演奏する音楽は、ミスが無いように、上手く音が出るように、ビクビクしていた。
独りで奏でるウクレレは、テンポ悪いし、リズム感はないけれども自由だ。
楽器を苦手だけど、少し好きになれた気がする。
省みれば、授業でも間違えていいから、調子外れの音でいいから、笑いながらやってたら良かった。
何をやるにせよ、うまくやろうとか、恥ずかしいとか、そういう感情を捨てられたら、楽しめるもんだと今更ながら気付く。
ウクレレもどうなるかわからないけど、楽しいと感じるなら続けるし、つまらなくなったら止めようと思う。
つまらないことをおもしろくする術を身につけたい。
一人でツアーに行った夜、車やテントで弾いてみたい。
一年続いたら、Jack Johnsonのスコアを買いたい。
ハワイに行ったら、ハワイアンコアのウクレレを手にいれたい。
出来るか否やわからないけど、肩肘張らずやっていこう。