豊田遠征-生きててよかった、そんな夜を探して-

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遠足前の小学生のよう。

心を踊って、眠れない。

久しぶりの豊田遠征。

テーマ曲は、フラカンの”深夜高速”。
“生きててよかった、そんな夜はどこだ”

さあ、名古屋へ。

 

一番遠征で来てる岩場が豊田。

といっても、大半が出張ついで。

純粋に登り目的は初めてかも。

で、まともなシーズンも初。

気合いが入らないわけがない。

 

もう何年も前からやり続けてる文明開花。

ムーヴを一から練り直しながらマシンガントライ。

お前、指皮大丈夫なのか。

と心配されつつ、カチを握る。

温泉に早く行こう。

とプレッシャーをかけられても、半ば無視してスタンスを踏む。

居残りでいいで。

という言葉に甘え、割れた爪をテーピングでぐるぐる巻く。

 

つるつるの指皮で、細かいホールドを握る。

第一関節に親指を添えて、もう外れんなと。

寒さで感覚のない足で、テカテカの結晶を踏む。

グリグリねじ込み、信じてるよと。

欠けた爪先で、ガバを掴む。

もう離すもんかと。

 

ままなりそうで、ままならない。

努力じゃ、どうにもならないこともある。

だけれど、たまに、こうして何とかなる時がくる。

だから、頑張れる気がする。

5年の月日を経ての完登。

自然と涙が流れた。

 

夜は、登りの話と各地の土産を肴に乾杯。

とっとと夜が明けて。

さっさと朝よ来い。
そんな風に、やさぐれてた。

もうちょい、もうちょっとだけ、この夜が続いて欲しい。

こう願うのは、いつ以来だろう。

 

でも、名残惜しい夜は去っていく。

ああ、楽しかったなって。
また、陽が登る。
さあ、頑張ろって。
んで、夜の帳がまた下りる。
Good night じゃなくて、Bad night もある。

Too bad night だってあるけれども。

たまには、こんな夜を過ごしたい。

 

お世話になったみなさま。

素敵で、楽しい夜をありがとう。