行く先が舞台の本を片手に飛行機に乗り込む。
旅に読む文庫も楽しみのひとつ。
読むのは三回目だけど、同じところで当然のように泣く。
上巻を読み終えたあたりで、福岡空港に到着。
思ったより、博多の風は冷たい。
資さんのごぼ天うどんをすすると、もう満足感が湧いてくる。
いやいや、まだ始まりなんだけどなぁと独り言ちり、腹ごなしに宿まで歩いていく。
目覚めると、道路が濡れている。
傘をさして歩く人もちらほら。
ゆっくりスタートしよう。
コーヒーを淹れ、半分まで飲んだらミルクを注いでカフェオレに。
一息、二息ついてから、外に出る。
箱崎宮をお参りして、お願いごと。
蚤の市を覗いて、シャツをお買い上げ。
三息、四息ついたところで、箱崎駅から電車に乗り込む。
黒崎駅から歩くこと一時間で河頭山。
憧れの柏木三部作。
いつか、登ろうと決めてから長い年月がかかったけれども、ようやく来れた。
長かった。
ロクスノの記事を読んでから、何年経ったんだろう。
頭の片隅にずっとあったけれども、なかなか行動に移せなかった。
情け無いと思ってたけれども、今ならわかる。
あの時はその時じゃなかった、今がその時なのだと。
気持ちを抑え切れず、アップせずに取り付く。
高さより、ランディングが斜めなのが気がかり。
落ちる位置を確認しながら高度を上げる。
もう大丈夫だなぁという感覚。
それを信じてスメアしてヒールフック。
中央のポッケに左中指と薬指をねじ込む。
右手に差し出したカンテに左手も添える。
バランスが取れたら、右手でカチを握り込む。
リップを抱え込んで立ち上がる。
ここで落ちたら、まあまあな悲劇が頭をよぎるけれども、そんなつもりは毛頭ない。
第一部のハイライトシーンが静かに終わる。
もう終わりかという今日までの名残りと、さあ頑張るぞという明日への活力。
改めて、旅の満足感が湧いてくる。
セッションした方が駅まで送ってくれた雨降りの撤収。
仕事の丁寧なとんかつ屋さんでの食事。
すごく刺激になった明太子工場見学。
なんだかわびしい一人のもつ鍋。
いろんなサイドストーリーがあったエピソード1もそろそろエンディング。
もちろん、To be continued.
また来年。
延期になるかもしれないけれど、三部作は完成させる。
その時は、きっとやってくるから。
柏木三部作エピソード2に期待して、またのんびり、ゆっくりやっていこう。