峠。

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午前中は、大丈夫だろうと115線に出る。

その途端に、雨がフロントガラスを叩く。

パラパラというリズムに合わせて、行き先変更。

高速に乗り、東北、磐越、北陸道

満を持して、長岡で降りる。

前々から暖めていた計画、「継乃助ドライブ」。

 

河井継乃助記念館は二つ存在します。

長岡と只見。

それを辿ろうというわけです。

長岡は生誕の地。

只見は終焉の地。

どうせなら一気に回ってやろうと、考えてました。

 

司馬遼太郎さんの「峠」が、河井継乃助を知ったきっかけです。✳︎

その舞台にいると思うと不思議な感じがしますね。

長岡から只見までは、結構な山道でした。

八十里越と呼ばれ、難所だったようです。

車で二時間くらいでしょうか。

その険しい道を、負傷した体で担架に乗りながら越えてきた。

その継乃助の精神力。

担架を担いできた部下。

彼が、いかに強く、慕われる人間であったかが伝わってきたような気がします。

小説の結末が蘇り、目頭が熱くなりました。

 

そして、この本を紹介してくれた友人を思う。

一番好きな本だからと渡してくれた事を。

彼とは、別の峠に向かうことになりましたが、一緒に峠越えをしてたら、どうだったかなと考える時があります。

多分、ケンカしただろうと思う。

だけれども、楽しい道のりになったんじゃないかなと想像しています。

 

人それぞれ、峠を歩いてます。

どの道も、勾配はどうあれ、それなりの苦楽があると思います。

なんたって、山に加えて、上、下ですからね。

上りも辛いけど、下りがキツい時もあります。

誰だって、辛い時は辛いんです。

近頃、自分は、下りがやけに膝にきて、苦痛です。

 

軟骨が磨り減った関節を摩りつつ思うのです。

この峠を越えても、次の峠があるんだろうなと。

別に無理して行くことも無いのですが、どうせなら挑戦したいなんて考えちゃいます。

そういう風に、肉体的には衰えても、精神的には前向きでいたいものですね。

 

✳︎峠 上・中・下巻セット (新潮文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00D2ZC9TU/ref=cm_sw_r_cp_api_ge3tzbR7E75X1

子育て。

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加美にて、ハハ&ババの会を開催。

そう、今日は母の日。

そんな日を迎えるのも四日目。

つまりは、親となり四年目。

あっという間だなぁと思う。

子育ては、正解のないなぞなぞ。

選択肢は星の数ほどあるけれど。

これだ。っていう答えはない。

ただ一つだけ思う。

子育てとは、子供を笑わせることかなと。

 

家族と過ごす時間は掛け替えがない。

どれだけ長い時を共に過ごせるかが。

それが、大切。

ただ、肝心なのは、共に笑う時間の長さ。

たまにしか会えないとしても。

その、ほんのひと時、ニコニコしていれば良い。

世の中のほとんどは、笑っていれば解決出来るから。

 

"We can laugh together. We're going to get through this. We're going to be okay."*

我々は、一緒に笑うことで、困難を乗り越えることができる。

失敗しても。

あんまりお金が無くても。

笑顔があれば救われる。

100円ショップのおもちゃを喜んでくれる。

中古に絵本を気に入ってくれる。

コンビニまでの散歩を、楽しみにしている。

まぁ、ウチの娘は、コンビニで買うお菓子を楽しみのしている感は否めないけれど(最近は、チョコボールのイチゴ味)。

 

子供の顔をクシャクシャにさせる。

現場対応で。

臨機応変に。

頓知を働かせて。

もちろん、怒る時も、泣かせることもあるけれど。

人間だし、感情的にも、理不尽にもなるしね。

それでも、布団に入る前、共に笑顔でいる。

それが、子を育てるということなんだろう。

 

*Why we laugh
https://www.ted.com/talks/sophie_scott_why_we_laugh

みちのく独り旅-衝動の太平洋編-

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息がつまっている。

このままじゃ、駄目だ。

どっか行こう。

そんな衝動で、車を走らす。

目的地は、太平洋。

 

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青森。

高さのあるスラブを一撃。

上司のパワハラ効果もあり、落ち着いて処理できた。

ちょっと成長したかなと鼻高々。

その後、ぐるっと一回。

直感でピンときたラインを打つ。

名前は「葉月」。

小さいポッケから大きなポッケにドーン。

という感じの課題。

ドーンが苦手なので、引きつけ作戦を試みる。

中継ホールドには届くけれど、止まらない。

あーだ、こーだしている内に指皮は無くなる。

集中力も消え去る。

鼻をへし折られて終了。

 

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岩手。

ずっと来たかった侍浜。

お目当ては「神龍」。

一目で分かるラインの美しさ。

ランディングは岩盤。

まあまあな高さ。

マットがもう一枚あったら登れてた。

そう思う。

高さ、ランディング、一人。

即ち、コントロールして落ちる必要がある。

ギリギリじゃ駄目。

余裕を持ってリップを取らなきゃ。

それに捉われ、最後の一伸びが出来なかった。

それが、今の実力と受け止めるしかない。

だけれど、自分の置かれた状況の中で、出来る限りのトライは出来たと思う。

 

ライミングの結果たるや散々なものだった。

また、宿題が増えた。

そうかもしれない。

ここに来る理由が増えた。

そう考えた方が楽しい。

そもそも、過去の例からしても遠征して結果を出した記憶がないので、期待してない。

それに、目的は達せられた。

 

過去にも、息がつまって、どうしようもない時期があった。

その時は、じっと我慢していた。

それが最良の方法と信じ、誰もが通る道だと思って。

結局、悶々とした毎日を過ごし、家族や友人に迷惑をかけた。

同じことを繰り返したくない。

そんな思いもあり、息を吐き出したかった。

深呼吸が一番の目的だった。

 

久しぶり過ぎて、テントの張り方忘れたり。

野良猫に夕飯を奪われたり。

トポが無いから彷徨ったり(野坂さん、お世話になりました)。

登りの他も散々だったけど、ゆっくり呼吸出来た。

古臭れた何かを吐き出し、新鮮な何かに吸い込んだ。

また、息がつまったらどこかへ行こう。

今度は日本海に行きたいな。

そう、みちのく独り旅は日本海編へと続くのだ。

ムーミン。

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ついに、ムーミンを制覇した。

ずっと貸出中だった本

それが、棚に並んだ姿を見つけた嬉しさ。

やっと、会えたね。

そんな台詞が自然と出る。

興奮冷めやらぬ中、一夜で読了。

全巻を読んで、多くの発見があった。

ニョロニョロは種から生まれること。

ムーミンパパは捨て子だったこと。

そのパパに感情移入する自分がいること。

 

ムーミンといえばスナフキン

という人が多いと思う。

男女共に、憧れを抱く。

ああいう風に、自由に、熱く、クレバーに。

これは、自然の摂理

ただ、スナフキンはどこか浮世離れしている。

しかも、結構なワガママを言う。

たまに帰ってきたら、オリジナルソングを聞かされる。

近所にスナフキン

はた迷惑な気がしないでもない。

 

一方、ムーミンパパ。

彼は現実的。

去勢をはり、カッコつける。

だけれども、上手くいかない。

パパはボヤく。

父親らしくするのは、まったくつい難しいことだな。」と。*1

ママに言われる。

「あまりにも、当たり前のことを当たり前と思い過ぎるんじゃない?」と。*1

どこにでもいるお父さん。

そんな姿を自分自身に、重ね合わせていたのだと思う。

わかるよ、パパって。

 

図書館に行くと必ず児童書コーナーに直行する。

赤毛のアン、トム•ソーヤにハックルベリー

10代と30代に読むのでは、捉え方が違う。

アンでは、マシューの生き様に感銘を受ける。

トムとハックでは、このクソガキ供という感想を持つ。

誰が読んでも、何か発見がある。

その時々、年齢や立場に応じて。

それが名作と呼ばれる所以な気がする。

 

坊主頭のおっさんが休日の朝イチ。

開館前に自動ドアの最前線に陣取り。

開くやいなや、児童書を漁る。

ちなみにその後、岩場に向かう。

その姿は、ちょっと怖い気がする。

職員さんの視線がたまに痛い。

だけれど、また来週も駆け込む。

少年となり冒険心を取り戻すため。

父親となり優しさを養うために。

 

*1ムーミンパパ海へいく (新装版) (講談社青い鳥文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4062854368/ref=cm_sw_r_cp_api_tc19ybWDNJN12

 

イージュー★ライダー。

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走り始めて、33年目。

"何もないな  誰もいないな  退屈なスピードで  道は延々と続く"*1

そんな心持ち。

 

最初は、無謀な運転が多かった。

高速を、山梨-宮城間をぶっ続けて走ったり。

冬場の急カーブに、80kmで突入したり。

砂浜で、スタックしたり(全てノンフィクション)。

当然、事故り、廃車し、JAFのお世話に。

自分を過信して、アクセルを目一杯踏んでいた。

 

近頃は、落ち着いてハンドルを握っている。

任意保険が、高くなるのはもう勘弁。

そんな気持ちの現れな気もするけれども。

眠くなったら、PAに入る余裕。

パッシングを無視する図太さ。

下り坂でエンジンブレーキを使う技術。

実力に見合った運転が出来ているのかなと思う。

 

真っ直ぐな道をゆっくりドライブ。

そんな日々が続くと、たまに分からなくなる。

何処へ行きたいのか。

どのぐらい離れているのか。

あと何時間かかるのか。

辿りつけるのか。

 

だから、地図を広げて、確かめる。

この辺りかなと、根拠の無い自信を持って。

大体これくらいと、楽観的に考えて。

そのうち着けばいいやと、時間を忘れて。

まあ何とかなるべと、希望は捨てない。

そして、また走り始める。

 

そんな風に、地図を眺める日。

それが、誕生日なのかなと思う。

遠回りをしたとしても。

横道に逸れたとしても。

引き返したとしても。

何かに向かって進んだのは間違いない。

まぁ、あんまり難しく考えるなってこと。

"カレンダーも  目的地も  テレビもましてビデオなんて  いりません  ノンノン  僕ら  退屈ならそれもまたグー"*1

きっと、そういうもんなんだろう。

 

*1イージュー★ライダー  奥田民生

遠い春よ。

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西高東低が、強まっては、緩む。

雪が積もったと思いきや、穏やかな陽が照る。

冬と春が交わる。

そんな季節の変わり目。

 

里山のパン屋さんから春の便り。

雪の下から、ひょっこり顔を出しましたよ。

リップは、まだ雪があるけれど、下部から側面は大丈夫でしょうと。

季節はまだ冬だけれども。

春の兆しに誘われて、霊山へ。

 

1日目。

足がしもやける。

シューズを履くのも、一苦労。

腫れた爪先で踏むスタンス。

それは、剣山を踏み締めるが如く。

もはや、登りではなく苦行。

シューズを履いては脱ぎ、足を揉む。

お経のように、ムーヴと文句を延々唱える。

嗚呼、無情。

諸行無常の鐘が鳴る(17時の時報)。

本日の苦行は終了。

 

2日目。

風強く、限りなく透明に近いブルーな空の下。

指は囁やく。

「今日は持ててますぜ、旦那。」と。

声を信じて、右手を出す。

思ったより、ええやんけ。

とほくそ笑む。

だけれど、春の陽気が水を差す。

雪解けで、スタンスが染まる。

悔しさで、胸が滲む。

陽はまた沈む。

 

3日目。

昨晩の食卓は、ふきのとうの天ぷら。

嬉しい反面、不安が募る。

暖かいと体は動くけど、フリクションがなぁと。

ちょっと気負い過ぎ。

良かったのは二〜三トライ。

だけれど、一度きりだったのが、三回出来た。

かすかでも、確実に前進。

春とリップは目の前。 

 

4日目。

前々日の雪が残る。

とりあえずリップの雪を掻く。

濡れていたので、ホールドを触るだけ。

持つのが辛かったカチも、悪いと感じない。

指と筋肉は、もう十分。

後は、精神面。

ここで、一手出すんだというね。

なので、心が強くなりそうな動画を見る。✳︎1

強くなるどころか、涙する。

 

5日目。

天気予報は午後から崩れる。

気持ちははやる。

焦りは生じる。

リップ手前までは抜群の安定。

だけれど、もう一手が出ない。

焦る、イラつく、雨がパラつく。

 

保持力と体幹的に無理では無いです。

自身過剰かもしれませんが。

それにも関わらず登れないのはなぜか。

メンタルとフィジカル。

ギアの噛み合わせが悪いのだと感じます。

馬力が強くても、ギア比によっては、力は伝わらない。

気持ちが弱くて、能力が活かせない。

顔が汚れて力が出ないアンパンマン

それが、今の自分なんでしょう。

 

登れなかった。

この耐え難き、忍び難き現実。

悔しく感じても、後悔はしません。

挑戦したのだから良いじゃない。

少なくとも逃げなかった。

過去の自分と向き合ったのだからと。

当然、諦めたわけでもありませんしね。

 

花見山の交通規制も始まりました。

福島の桜開花予想は4月下旬です。

もはや、春。

お花見シーズン。

ちょっとフリクションが心配です。

でも、もう少し粘って見ようかと思います。

楽しみにしている方々には、悪いけれど。

とんでもない花冷えを期待しています。

 

✳︎1Your body language shapes who you are
https://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are

ピータン。

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後輩を連れ、晩ご飯。

食わず嫌いというピータンをご馳走。

自分自身も初体験。

期待と不安が入り混じる中、震える箸で口に運ぶ。

パンチの無さに、安堵しつつも失望を覚える。

すごく美味いか、とんでもなく不味いか。

それを、期待してたのに。

 

ゴロゴロとした塊が嬉しいレバニラ炒め。

鼻頭が汗ばむ山椒の効いた麻婆豆腐。

期待外れのピータン

シャキッとしたザーサイ。

それらをツマミに、これまでとこれからを語り合う。

コンビネーションが良くなる頃に別れが来る。

残念だけれど、それぞれの道がある。

快く送り出す。

それが、彼に捧げるせめてもの華向け。

先輩が、自分の門出を飾ってくれたように。

 

学校や社会に入ると、嫌なことが多少ある。

先輩、上司から言われて辛かった。

そんな経験は、全人類の共有財産で世界遺産

「何を今さら。」

社会に出て、言われて一番キツかった。

その棘は、今だに突き刺さったまま。

抜けないし、そのままにしておこうと思う。

加えて、心に決めたんだ。

同じ言葉を後輩には絶対に言わないと。

 

昔は、こうやって鍛えられた。

オレは、そう教わった。

だから、お前にもそうするんだ。

それが、間違いとは思わないけれども。

あなたは、嫌じゃなかったのかい?

そう問出したくなる。

先輩にやられて嫌だったことを、後輩に繰り返す。

負の連鎖は、どこかで断ち切らねばならない。

先輩からされて良かったことを、後輩に繰り返す。

正の連鎖は、いつまでも繋げていきたい。

 

ご飯を奢る(安いけど)。

本を上げる(中古だけど)。

厳しいことを言う(たまに)。

先輩にされて良かったなぁということは繋げたつもり。

だから、彼にはお願いした。

オレにされて嫌だったことは後輩にするな。

オレにされて良かったことは後輩にする。

この二つを守って欲しいと。

彼曰く、自分にされて嫌だったのは、現場での顔が恐ろしいことらしい(本人は普通のつもり)。

にこやかな彼だから、そこは問題ない。

自分にされて良かったのは、こうやって安飯を奢ってもらったことくらいだろう。

それだけでも構わない。

そのまた後輩へと、繋げて欲しい。

 

一月もすれば、説教は頭の片隅へ追いやられる。

半年も経てば、記憶は彼方へ飛んでいく。

一年後には、それらは無かった存在のようになる。

どこで、誰が、何だったか。

お店の場所、自分の名前、言われたこと。

霧がかかり、曖昧になっていく。

大体、そんなもんだ。

霧が晴れて、明確になる。

時々、そんなこともあるはずだ。

そんな日に、思い出して欲しい。

ピータンの微妙な味。

自分のしかめっ面。

彼自身が繋げていく正の連鎖を。